新しい常識

プリウスに乗っています。

20系と呼ばれている型で、買ったのはもうかれこれ12年前になりました。
レンタカー上がりで買った中古車ですが、それから12年乗って現在の走行距離は21万km。
大きな故障も無く、(あちこち少しぶつけた跡などはあるけど)燃費も相変わらず好調でエアコンの効きも大変良く、とても頑丈に出来ている車です。

購入当時、このプリウスは、「エコカー(笑)」「何あのケツがクッと上がってるデザイン(笑)」「おっさんくせえ」「車両自体が割高」
こんな感じの評価だったと思います。少なくとも私の感じる範囲ではそうでした。

それが、当時の急激なガソリンの高騰などで、燃費の良い車の方が良い!というような流れが世の中に巻き起こり、私の住んでいるここ三条市も瞬く間にプリウスだらけになっていきました。
まあこの時点でプリウスを買っても燃料費的な観点から言えば他の同サイズのハイブリッドではない車種を買った方が得になるケースが多い、と言うのは少し立ち止まって考えれば分かるはずなのですが、「燃費が良い=エコカー」という印象と、トヨタが醸成してきたプリウスという車の持つイメージがここに来て時代とぴったりと合致した結果バカ売れしたんだと思います。

私はこのプリウスをこのエコカーブームの前々から気に入っていて、多くの人達のずっと前から愛車としていた身としては「ほら見ろプリウスの時代が来ただろう!(ドヤァ」と得意に思う反面、人とはちょっと違った車に乗りたかったというのもプリウスに決めた理由のひとつだったというのもまた事実であり、プリウスが自分だけがファンだった日の当たらない地味な地下活動しかしていないアイドルでは無くなり、国民的なメジャーアイドルとなって羽ばたいていってしまうのを見るような一抹の寂しさ?みたいなものがありました。(何を言っているのか自分でもわかりませんが)

トヨタはこういった時代になるのを何年も前から既に見据えていて、プリウスのような車種を開発し市場に投入していっていたのだと思います。

あれからもう10年ほど経ちました。
エコカーも、ハイブリッドカーも、あのグッとケツが上がったデザインも、今となっては普通になってしまった。

レクサスのあのウスみたいな形のフロントグリルもなんだかんだで見慣れてしまった。

みんなiPhoneをはじめとするスマホを持つようになった。
一部の人がやっていたmixiはユーザーが居なくなり、みんなスマホFacebookInstagramを見るようになった。

連絡するのが電話からメールになって、最近ではLINEやメッセンジャーで仕事上のやり取りをするのも少なくない。
いつの間にかYouTubeトヨタや日産がCMを流すようになった。


あの時のヘンテコなもの、珍しかったものが10年も経てばすっかり浸透していって、当たり前になって、世の中の常識になります。
それまでのものはフェードアウトして過去のものとなっていきます。
世の中どんどんどんどん、「当たり前」が変わっていくなあ、とふと思いました。

最近、エアークローゼットというサービスがある事を知りました。
詳しくはご検索なさってください、なんですけど、ザックリ説明するとプロのスタイリストが自分に合う服を月に2.3着選んで家に送ってくて、その服のコーディネートも教えてくれる。
月の返却期限になったらまた返すという月額料金を支払う、衣服のレンタルサービスです。
これによりおしゃれに自信が無い人でもおしゃれな着こなしができるようになりますし、服を選ぶ・買いに行く時間も手間も省けますし、クローゼットが着なくなった服で溢れ返るという事もありません。
このサービスを最初に知った時は衝撃が走りましたが、将来はほとんどの人がこのサービスを使う時代になるのかも知れません。
「服は借りて着るもの」というまたひとつ新たな常識が生まれたんですかね。
プリウスの話に戻ると、今はハイブリッドからさらにプラグインハイブリッド、電気自動車、更には自動運転とどんどん技術も進化していきます。10年後なんてまた全然予想しなかったモノが生まれてるんでしょうね。
頭を柔らかくしておかないとあっという間に置いていかれる時代です。

それではまた。