火打ち石

うちの実家の下駄箱の上には、火打ち石が置いてあります。

もう何年も前ですが、某居酒屋にて帰り際に店員さんが火打ち石で「切り火」をして見送りをしてくれたのを見たのがきっかけで私の弟が購入してきたのだそうです。

それから我が家も出かける際には、主に母がこの火打ち石を持ち玄関先で「切り火」をし「いってらっしゃい」と声をかけて見送ってくれます。

この「切り火」の儀式(?)はなぜ行うのかチラッと調べてみたところ、

「古来、火が清浄なものとする考え方から、火打石で火花を起こすことを切火(きりび)を切るともいい、身を清めるまじないや、火が魔除けになるという信仰的な(お祓い)としての意味である。」(wikipediaより)

火をつけるという役目だけでなく、厄除け、ゲン担ぎに使われているのですね〜。
カチカチという音も語感的に縁起がいいし、なるほどなあ、と思った次第です。

私の職業で使う木工用の道具や機械なども、「絶対に安全」というわけではありません。
木工業は残念ながら労働災害が多い業種でもあり、少しの注意不足が大ケガに結びつくこともあります。(幸い今のところ大けがは無いですが)

企業の安全への意識とその徹底、一人ひとりの心がけがこういった事故を無くす一番大事なことだと思いますが、
こうして「切り火」をしてもらうことによって「よし、行くか!」と、その人の気持ちをきりりと引き締めてくれる、ハートに少し火をつけてくれるような、そんな古くからの粋な風習だと思うのです。

ふと書いてみたくなったので書いてみました。

ちなみに火打ち石は、墓石店で買えるそうです。
最近ではネット販売でも簡単に買えるかも。

今日はこの辺で。それではまた。