うちで使っている木材を紹介(後編)

・ナラ(ミズナラ・ジャパニーズオーク)
重硬な材料で、うちでは唐鍬や木割斧などの強い衝撃に耐える用途の柄に使用しています。
切削加工は大変で、この木を持ち上げたりノコで切ったりの作業をしてるとしょっちゅう手にトゲが刺さってきます・・。痛いです。
木目がとても美しく、家具や化粧板などにもよく使われます。

ちなみにホワイトオークやミズナラの心材の道管には、チロースという組織が詰まっていて、
木材中への液体の出入りを難しくする働きがあります。
この性質を利用し、この2つの樹種はウイスキーの樽によく利用されます。
レッドオークではこのチロースの発達は見られないそうです。不思議ですね。


・樫(オーク)
シラカシやアカガシとあるんですが、日本の木材ではおそらくナンバーワンの重硬な材料です。
乾燥が容易ではなく、なかなか長尺のものの供給ルートが見つからずにいます。(もっともそんなに重要も無いが・・)
加工も難しく、機械による切削には特に神経を使います。

用途はその重厚さから、器具の柄、斧の柄、車輌、建築、枕木、木槌、家具、テコ棒などとにかく強靭さが必要なものに使われます。
高価なのに表面を削ってみると虫害を受けていることも多いので、参ってしまいます(泣

ちなみに、よく「オーク材=樫材」という風に混同されているようですが、オークというのは、日本ではナラの木の事を指します。
なんでもその昔翻訳家の方がオークを「樫」だと誤訳したのがそのまま認識されて現在に至っているとか。
しかしヨーロッパではナラ・カシの事をまとめて「オーク」と呼んでいるそうなので、これまたややこしい限り。
「オーク」と一口に言っても、厳密に細分化するとかなりの数に分けられるようです。

・ホワイトアッシュ
ナラよりもやや柔軟で、加工は比較的容易にできます。
うっすらとした木目は美しく、衝撃に対する要求の高い用途によく使われます。
器具の柄や野球のバット、家具にも使われます。
ちなみに私が1番好きな樹種でもあります。(←どうでもいい)

マサコーで取り扱う主だった樹種はこれらです。
だいたいこれらの樹種があれば、器具の柄を作るには事足ります。
あとは我々が杢の向きや、節や曲りが出ないようにうまく加工していくことが重要になります。


木材という自然が与えてくれた素材。
我々の仕事は、その素材を使い、木でなくては作れないもの、木でなくてはならない用途に適した樹種や部位をしっかりと見極め
たしかな製品として加工し、世の中に供給していく事です。